飛鳥時代の瓦が残る世界遺産 ―Roof tiles of the Asuka era (around the 7th century)―
蘇我馬子が飛鳥に建立した日本最古の寺院である法興寺(飛鳥寺)を平城京に移したもので、元興寺の名前も仏教の「元を興す」から来ています。
奈良時代、平城宮の南東に位置するこの辺りは、平城(なら)の飛鳥と呼ばれ、飛鳥(明日香村)から移住した人たちが多く住んでいたと思われます。現在でも地名や学校名などに「飛鳥」の名が残っています。
かつては、奈良町全体の広大なエリアが元興寺の敷地でしたが、平安時代の中頃から衰退し、1451年の土一揆で、金堂や小塔院などが焼失しました。場所的に藤原氏ゆかりの興福寺の南大門に隣接していたことから、焼け跡に商店家屋などが建ち、興福寺の門前町として栄えました。
その後1859年には五重塔と観音堂が焼けて、現在残っているのは、極楽坊の本堂と禅室などだけです。それでも屋根の一部に飛鳥法興寺から移された飛鳥時代の古い瓦が残っていることで往時をしのぶことができます。
なお、奈良町の中には、元興寺のもとの東塔跡(元興寺塔跡)や小塔院跡などが別のお寺の形で点在しています。
また、現在の奈良町物語館・菊岡漢方薬局・奈良町資料館の辺りに金堂があったと言われ、現在でも床下に礎石が残っています。
諸説ありますが、西日本各地に残る鬼の異名「がごぜ」「がんご」などは、元興寺に出没した鬼の伝説に由来すると言われています。
「古都奈良の文化財」の一部として、世界遺産にも登録されています。
インフォメーション
2月3日 節分会
5月8日 花まつり
8月23日、24日 地蔵会
店舗・施設名 | 元興寺 |
---|---|
NAME | Gangoji-temple |
読み方 | がんごうじ |
住所 | 奈良県奈良市中院町11 |
電話番号 | 0742-23-1377 |
営業時間 | 9:00~17:00 |
アクセス | 名阪国道の天理インターからR169号を北上(約7.5km) ●JR奈良駅から徒歩約25分…猿沢池東岸から南へ約500m(右側) ●近鉄奈良駅から徒歩約15分…〃 〃 ●奈良交通バス「福智院町」から西へ徒歩約5分 |
駐車場 | あり(有料:猿沢池周辺のならまち駐車場など) |
ホームページ | http://www.gangoji.or.jp/ |
事務局からのご案内
伝説によると、夜な夜な元興寺に鬼が現れて人を襲うので、力持ちの童子(実は雷神から授かった子)が追い払ったが、明け方に鬼薗山城(現在、奈良ホテルが建っている高台)の麓辺りで見失った…
鬼が消えた辺りには今も伝説にちなむ「不審ヶ辻子(ふしんがずし)町」という地名が残っています。
関西などの各地に残る鬼の異名「がごぜ」「がんご」などは漢字で元興寺と表記し、ここ元興寺に由来するとも言われています。(諸説あります。)