南都八景のひとつ ―One of the eight views of the Southern capital―
奈良公園、興福寺の南側、奈良町の北端にある周囲360mの小さな池です。古くからの景勝地であり「猿沢池月」 は南都八景のひとつとなっています。
猿沢池の七不思議(澄まず、濁らず、出ず、入らず、蛙はわかず、藻は生えず、魚が七分に水三分※)のほか伝説も多くあります。毎年仲秋の名月の日(旧暦8月15日)に行われる采女(うねめ)祭は、そんな伝説ひとつ、帝の寵愛が衰えたことを嘆き悲しんで入水した采女を慰めるために行われるものです。
北岸の三条通を東に進むと春日大社の参道につながり、西に進むと暗(くらがり)峠を経て大阪の二軒茶屋に至ります。一方、南西端の常夜灯から南へのびる上街道(上ツ道)は、初瀬街道 →伊勢街道 → 伊勢神宮へとつながるお伊勢参りのメインルートとなる交通の要衝でした。
※猿沢池の水は、決して澄むことなくまたひどく濁ることもない。水が流入する川はなくまた流出する川もないのに、常に一定の水量を保っている。亀はたくさんいるが、なぜか蛙はいない。なぜか藻も生えない。毎年多くの魚が放たれているので増える一方であるにもかかわらず、魚であふれる様子がない。水より魚の方が多くてもおかしくないような池。
インフォメーション
仲秋節(旧暦8月15日・月齢に基づくため新暦での月日は毎年変わる)采女祭
店舗・施設名 | 猿沢池 |
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NAME | Sarusawaike-pond |
読み方 | さるさわいけ(さるさわのいけ) |
住所 | 奈良県奈良市登大路町猿沢 |
アクセス | 天理インターからR169号を北へ約7km、福地院北交差点を左折して道なりに進み350mで右折、周辺駐車場へ |
駐車場 | あり(有料:ならまち駐車場など) |
事務局からのご案内
猿沢池よりも西の方向には、あまり高い建物が無いため、晴れた日は東側の茶屋の辺りから夕陽や夕焼けを眺めるのがオススメです。
風が弱いと水鏡になることもあります。
また、猿沢池には、アオサギ、カワウなどの水鳥のほか、亀やスッポンなども住み着いており、奈良公園側からは鹿が、奈良町側からは猫がよく遊びに来ています。