唐傘のような珍しいお堂 ―Rare architecture, looks like an umbrella―
一辺が約40cmの四角い真柱の上に、正方形の本瓦葺屋根が乗った唐傘のような高さ約5mの小さな建物です。その珍しい形から傘堂(唐傘堂)と呼ばれています。
江戸時代前期にこの地の郡奉行を務めていた吉弘統家(よしひろのりいえ)が、亡くなった郡山藩主本多政勝候の菩提をとむらうため、この地域の農民たちとともに、延宝2年(1674)に建立したものだそうです。
現在、傘堂弥陀は近くの「石光寺」にまた、この堂に吊ってあった鐘は、「明円寺」にあるそうです。
この少し下にある當麻寺(たいまでら)で「練供養会式」※が行われるのと同じ日、5月14日に法要が行われます。
傘堂に三度祈願すれば、長い病による下の世話を人にかけず、自分も苦しむことなく、又、命終わるときは雨が降らず、これまた人に迷惑をかけることもないという「ぽっくり信仰」があり、多くの人が訪れます。
※2019年以降は旧暦に近い4月14日に実施
店舗・施設名 | 傘堂 |
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NAME | Kasado-small hall |
読み方 | かさどう |
住所 | 奈良県葛城市染野 |
アクセス | 西名阪道の香芝インターからR168号を4km南下して良福寺交差点を右折、600mで左折してR165号線へ、1kmで右折、750mで突当りを右折、290mで右側 ●近鉄「当麻寺駅」より徒歩約30分 |
駐車場 | 数台駐車可 |
事務局からのご案内
天理市柳本町の長岳寺の近くにこれとよく似た、やはり傘堂とも呼ばれる「五智堂」があります。
五智堂が、鎌倉後期の建立、こちらの傘堂が延宝2年(1674)の建立と伝えられるので、直接の関係は無さそうです。ただ、昔、沼地であった奈良盆地を挟んで対峙する東西二つの地域によく似た建物があるのは興味深いものがあります。
少なくとも、當麻の傘堂が作られた時には、五智堂の存在は良く知られていた筈で、参考にして作られたことは間違いないでしょうね。
ちなみに天理の五智堂は、一本足と言っても実際には四隅を支える細い柱が4本あります。當麻の傘堂にも北側に細い支柱が一本だけあるのですが、見る角度によっては本当に一本柱に見えます。