陰陽師の祭壇所 ―Altar place of the Yin Yang fortune-teller―
奈良町からくりおもちゃ館の隣にある神社、間口が狭く、良く見ていないと気付かず通り過ぎてしまいそうな場所です。狛犬の表情が何ともユーモラスで観光客にも人気があります。
祭神は、『古事記』で最初に高天原に現れたとされる天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)※。国家安穏、五穀豊穣、家屋敷の安全を守るとされます。
1117年に創建されたこの神社は、陰陽師(おんみょうじ)の鎮守の祭壇所でもありました。この辺りに陰陽師が住んでいたことから、所在地は「陰陽(いんよう)町」、神社の前の坂道は「陰陽坂」地元では「いんぎょまち」「いんぎょざか」などとも呼ばれています。
陰陽師は、平安時代に活躍したと言う安倍晴明(あべのせいめい/ はるあき/ はるあきら)で良く知られ、式神を使い悪霊や鬼と戦う超能力者のイメージがありますが、実際は、宮廷内で暦を作ったり天体観測を行う地味な職業だったそうです。
鎮宅霊符神は、宇宙創造の中心とされた「北極星」や「北斗七星」を神格化したものとも言われます。神社には氏子が無く、陰陽師の末裔が代々維持されてきたそうです。
※日本の国を作ったとされる伊弉諾(イザナギ)と伊弉冉(イザナミ)よりも前のお話で、この時代の神様には性別が無いので「独神」(ひとりがみ)と呼ばれています。
店舗・施設名 | 鎮宅霊符神社 |
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NAME | Chintakureifu-shrine |
読み方 | ちんたくれいふじんじゃ |
住所 | 〒630-8338 奈良県奈良市陰陽町 |
アクセス | ●近鉄奈良駅から小西さくら通りを南へ徒歩約11分(陰陽町で左折して坂を上り左側) ●JR奈良駅からならまち大通り、やすらぎの道などを経由して徒歩約15分 |
駐車場 | なし(近隣の有料駐車場をご利用ください) |
事務局からのご案内
日本神話の神様と言えば太陽を象徴する天照大神(あまてらすおおみかみ)が一番最初に登場するように思われるのですが、実際に天照大神が現れるのはかなり後の方です。太陽よりもずっと以前に無の世界に宇宙の中心として天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)を描いているところが、まるで宇宙の始まり(ビッグバン)を象徴しているようで面白いですね。天之御中主神は、現れて直ぐに宇宙に溶けるように消えたそうで、今風に解釈すればダークマター!?