西方浄土からのお迎えを再現 ―Memorial marching ceremony for the dead―
当麻寺で1000年続くと言われる練供養会式は、全国の練供養の発祥で、極楽から現世に里帰りしていた中将姫※をお迎えに行く様子が再現されます。
当日、当麻寺の本堂である曼荼羅堂(この日だけは、極楽浄土に見立てて極楽堂と呼ばれます)から東側にある娑婆堂まで長さ110mの廊下(来迎橋)が仮設されます。極楽堂が極楽浄土、娑婆堂が現世を表しています。
もともと当麻寺は、夕日が沈む二上山の麓にあるため極楽浄土に近い場所と考えられていたそうです。傾斜した廊下が沈みかけている夕日に向かって一直線に伸びているので、晴れて夕日が差し込むといっそう雰囲気が盛り上がります。
午後4時に練供養会式が始まります。お坊さんや(中将姫をお載せする)お神輿に続いて、お稚児さんの行列があります。
二十五菩薩の後に登場する観音菩薩・勢至菩薩・普賢菩薩、特に観音菩薩の「中将姫をすくい上げる」ような独特の動作は必見です。ゆっくりと進んだ行列は、しばらくすると娑婆堂で中将姫をお神輿に載せて折り返してきます。
※藤原鎌足の曾孫で後に仏門に入り当麻寺で曼荼羅を織り上げたという伝説があります。葛城市のマスコットキャラクター(ゆるキャラ)蓮花ちゃんのもとになっています。また、入浴剤バスクリンで有名な「ツムラ」の「中将湯」のロゴにもなっています。
インフォメーション
2023年は4年ぶりに通常に近い規模の開催となる予定だそうです。
2022年は新型コロナウィルスによる感染症拡大防止のため規模縮小となります。
2021年は新型コロナウィルスによる感染症拡大防止のため規模縮小となります。
(来迎橋はかけられません)
★★ 練供養会式は2019年より5月14日→4月14日(16時~)に変更されます。 ★★
中将姫の往生の日は旧歴3月14日であることから、それに近い4月14日に日程を改めます。
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当麻寺の伽藍配置は、ちょっと独特です。参道は東から西に向かっていて、本堂である曼荼羅堂も西を向いています。ところが、二本の塔は薬師寺などと同じように東西並んでいて、その結果、二本とも参道の南側に並行するような位置関係になっています。
これは、もともとあった本堂が平安時代に建てられた(中将姫の織り上げた曼荼羅を収めた)曼荼羅堂に本堂を取って代わられたためだそうです。後から建てられた曼荼羅堂が極楽浄土(西)を向いているため、東側の門が正門になりました。
店舗・施設名 | 聖衆来迎練供養会式 |
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NAME | Nerikuyo eshiki-ceremony |
読み方 | しょうじゅうらいごうねりくようえしき |
開催時期 | 2023年4月14日 |
住所 | 奈良県葛城市當麻1263 |
電話番号 | 0745-48-2001 |
アクセス | 西名阪道の香芝インターからR168号を南へ1.3kmで左(旧道)へ分岐、2.8kmで良福寺交差点を大きく右折、950mで新在家北交差点を左折(R165大和高田バイパス)、当日は臨時駐車場が設置されますので誘導に従ってください。 ●近鉄「当麻寺」から徒歩約15分 |
駐車場 | 当日は臨時駐車場を設置 |
ホームページ | http://www.taimadera.org/ |
事務局からのご案内
行列は先ず西から東に向かうので逆光になりますが、帰りは順光になるので眩しさもなく見やすいでしょう。ただし極楽堂の近くまで来ると日が低くなっているので日陰になってしまいます。
行きと帰りでは先頭が逆順になって、観音菩薩などの三菩薩から二十五菩薩という順序で来迎橋を昇ってきます。