可憐な花、奈良市の市章 ―Pretty flower, the emblem of Nara city―
奈良の八重桜ではなく、「ナラノヤエザクラ」という桜の固有種です。もともと奈良時代に現在の奈良公園周辺に咲いていたのは、この種類だったと言われ、「いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな(伊勢大輔)」と詠われたことでも知られます。また、奈良市の市章、奈良市・奈良県の花にもなっています。
開花は、普通の八重桜よりもさらに遅くて、例年4月の下旬が見頃になりますが、花の時期が短く、年によっても大きく前後します。
奈良公園、特に大仏殿の周辺で多く見つかりますが、木そのものは小さく、花も小ぶりで普通の八重桜のような豪華さは無いので注意して観察しないと見落としてしまいます。ツボミは濃いピンク色ですが、花が開いた直後は白っぽく、散る前にはピンク色になってきます。そのため、一本の木でも薄いピンクと濃いピンクの花が混ざったように見えます。
大仏殿の西側、三月堂の横※、転害門から少し東に入ったところなどにありますが、奈良春日野国際フォーラム甍~I・RA・KA~(月曜休館)の庭園内の木は、案内表示があるのでわかりやすいでしょう。
※三月堂の南側にあった木は2018年の台風21号で2本とも根元から倒壊しました。
インフォメーション
2021年4月16日 例年よりも早く見頃になっています。
店舗・施設名 | ナラノヤエザクラ |
---|---|
NAME | Nara-no-yaezakura, double cherry-blossoms |
読み方 | ならのやえざくら |
住所 | 奈良県奈良市春日野町、雑司町、登大路町など |
アクセス | ●JR奈良駅、近鉄奈良駅から徒歩または、奈良交通バスで最寄りのバス停へ |
駐車場 | 一般の有料駐車場 |
事務局からのご案内
正倉院近くの知足院には、天然記念物に指定された原木がありましたが、既に枯死しており、その近くに子孫の木が保護されています。
奈良以外では八重桜で有名な大阪造幣局(桜の通り抜け)にもナラノヤエザクラがあります。