ヒガンバナの謎(その1)

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さて、先日もご紹介した馬見丘陵公園のヒガンバナ、中央エリアの池の土手では、花の数がかなり多くなっているのですが、既に見頃を終わって白くなったものや朽ちて種を付けているものも混ざっていて、見た目は今ひとつな状態になりました。日本の田畑の畦道などに昔からあるヒガンバナは、日当たりなどの違いで多少開花時期は前後※するものの、同じ場所ならほとんど同時に咲き始めるのが特徴です。ここのものは、同じ場所でも開花時期に差があって一斉に咲きそろわないことからもヒガンバナ(三倍体)では無く、近年に中国などから輸入された鑑賞用のコヒガンバナ(二倍体)である可能性が高いと思われます。(実際に遺伝子を調べたわけではないので真相はわかりませんが…)

※ヒガンバナは、ほかの多くの秋の花と同じく、日陰から咲き始めて日なたが最後に咲きます。


ヒガンバナの原産地は、中国の揚子江沿岸などだそうで、それらは種子で増えるので二倍体のコヒガンバナ(つまり、こちらがヒガンバナの原種)と思われます。それに対して日本の田畑で昔から見かける三倍体のヒガンバナは、種子で増えることができず球根(地下茎、鱗茎)で増えるため、遺伝子が全部同じで、そのために咲く時期もほとんど同じになるのだと考えられます。これは、吉野のヤマザクラの開花時期が一本一本違うのに対して、公園のソメイヨシノが一斉に開花するのと似ています。
なぜ、古い時代に突然変異の三倍体が日本に持ち込まれて増やされたのか謎ですが、もともとコヒガンバナの方がヒガンバナよりも開花が1カ月程度早くて8月~9月初旬だそうです。さらに上述のように個体差で咲く時期がそれぞれ異なるコヒガンバナに対して、ヒガンバナはその名の通り彼岸の時期に一斉に咲くおかげで、お馴染みの里山風景が生まれたとも言えますね。


さて、本来のヒガンバナもようやく花芽が出始めましたが、この時期「○○のヒガンバナが刈り取られていた」などの噂がよく広がります。ヒガンバナは、「葉見ず花見ず」と言われていて、花芽が出るまでは地上には葉っぱすらありません。なので花芽が出る前の時期に刈り取ること自体が不可能なので、おそらく芽がまだ出てきていないのを見て「刈り取られた」と勘違いしているケースもあるのでしょう。一方、獣害などで球根を掘り返されたり、他の植物を植えるために地中の球根(正確には鱗茎)を掘り返されて全滅してしまうこともよくあります。
それと、そもそもヒガンバナがこんなにもてはやされるようになったのは、ごく最近のことで、一昔前は、毒々しくも見える赤色が嫌われて、「死人花」「地獄花」「毒がある」などと言われていました。毒に関してはスイセンなどにも含まれるアルカロイドで、口に入れない限り、触ったくらいでは危険性があるものではないようです。

ところで、馬見丘陵公園にはヒガンバナの近縁の種類が沢山植えられていて、結構長い期間楽しむことができますよ。

 

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