- 2019-5-5
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今日は星の観測に適した新月ですね。そして、これから夏にかけて、天の川を観察しやすい季節になってきます。空気が綺麗な大和高原で天の川を見てみませんか?
天の川とは私たちの太陽系が属している「天の川銀河」を地球から見た姿で、一年中見ることができます。ただし、秋~冬に見えるのは銀河の外側(外宇宙)の方向になるので星の密度が小さくて肉眼ではなかなか見え辛いのです。天の川銀河の中心部(最近の研究では巨大なブラックホールがあるそうです。)星が沢山集まっている部分が見えるのは、だいたい3月下旬頃から9月の上旬頃までです。ただ、3月頃は早朝の短い時間しか見ることができないのに比べて、5月上旬は、深夜0時から明け方まで見ることができますし、気候も丁度良いですよね。6月はもっと早い時間から見ることができるようになりますが、梅雨の時期になるので今が比較的見やすい時期と言えるでしょう。
さて、5月6日の午前3時の南の空はこんな感じです。「今日のほしぞら」で検索すると国立天文台のページが出てくるので任意の月日、時間の状態をあらかじめ確認することができます。月が出ていると空全体が明るくなって天の川はほとんど見えません。今月の場合だとだいたい5月14日くらいまでは見ることができますが、その後は次に月が欠けてくる5月末頃まで観察が難しくなります。
今年の場合、ちょうど天の川の中心部近くに木星が見えるので簡単に方角が分かります。南の空を見て、一番明るくて朱色に見えるのが木星です。その少し右側の赤い星が、さそり座の首星アンタレスです。また少し離れて左の方に土星も見えています。
上の写真が先日撮影したもの(冒頭の写真は過去に撮影)です。木星や土星などの位置は毎年変わるので、惑星の位置を見るといつ撮影したものかがわかります。上の写真は、午前2時ごろの撮影なので天の川が横倒しになっていますが、時間が経つとだんだんと右に移動しながら時計回りに回転して明け方には縦向きになってきます。
天の川をはっきりと見るためには、お天気が良いことはもちろんですが、黄砂などによる霞(かすみ)や湿気による靄(もや)が少ないことが重要です。昼間に遠くの山並みがくっきりと見える日が最適でしょう。ただ、光害の少ない場所なら、少しくらい空気が霞んでいても大丈夫です。奈良県だと都市部から離れた大台ケ原などは、星が綺麗に見えることで有名ですね。標高が高い方が空気が薄いので条件としては良いのですが、あまり見晴らしの良い山頂の展望台などだと都市部の光害の影響も大きいものです。
比較的都市部から近い大和高原の場合は、標高の高さにこだわるよりは、山や木で都会の灯りがブロックされるような場所を選んだ方が良いでしょう。天の川は南の空、とは言っても木星や土星の南中時の高度は30度くらいあります。意外と谷間の様な地形でも天の川は見えますので、見晴らしの良さよりもできるだけ暗い場所を選ぶのがオススメです。
→ 天の川の撮影方法や機材については次回以降でご案内します。