- 2018-5-29
今回ご紹介するのは、奈良県十津川村の南端からR168号線で数km和歌山県側に飛び出したところ、三重県との県境にも近い深山にある熊野本宮大社です。
ここは、以前のブログ記事でもご紹介した平城京を守る畿内逆五芒星の南の頂点になります。五芒星の頂点は、それぞれ日本神話で聖地とされた歴史の深い場所ばかりですが、熊野本宮は、伊勢神宮(アマテラス)、伊弉諾神宮(イザナギ、イザナミ)に並ぶ重要な神様、須佐之男命(素戔嗚:スサノオ)をお祀りしています。
スサノオは、高天原で大暴れして追放されたり、その後、ヤマタノオロチを退治した話などで知られる個性的な神様ですが、イザナギ、イザナミの子にあたり、アマテラスの弟になります。また、木の神とも言われ、紀国(木の国)にふさわしい神様とも言えそうです。
もともとは熊野川の中州にあったのですが、明治時代の大洪水以降に山の上に再建されたものなので、この社殿自体は新しいものです。一番左の大きな社(結宮)でイザナギ(右)とイザナミ(左)を祀っています。その右側が本宮(スサノオ)、さらに右側が若宮(アマテラス)です。なので、ここ熊野本宮では、本宮(スサノオ)→結宮(イザナギ、イザナミ)→若宮(アマテラス)の順にお参りすることになっています。
熊野本宮大社と熊野那智大社(写真上の左)、熊野速玉大社(同右)を合わせて熊野三山と呼ばれています。
熊野三山のシンボルとされる三本足のカラス、八咫烏(やたがらす)は、日本神話で神武天皇が東征の際に熊野国から大和国まで道案内をしたとされ、道中にあたる宇陀市榛原にも八咫烏神社がありますね。近年では、日本サッカー協会のシンボルマークにも使われています。