- 2021-5-20
- ブログカテゴリー: 新着情報。
これは、2017年6月に掲載したブログ記事の再掲載です。
関西でも平野部の暖かいところではゲンジホタルが飛び始める時期ですね。ホタルは山奥の清流に棲むというイメージがあるのですが、実際に確かめてみると(ゲンジボタルやヘイケボタルの場合)人里離れた山奥の清流ではほとんど見かけません。むしろ人の住む里山に多く分布し、水中に適度に栄養分があって、川の土手の草が人の手で刈り取られ、カワニナの餌になる苔類が繁殖していることが条件になっているようです。
数は少ないのですが、奈良市街、橿原市など奈良盆地の都市部近くでも実は結構飛んでいます。人工光が明るすぎて、飛んでいても目立たないのでしょう。
ホタルが良く観察できるのは、できるだけ暗い場所、つまり商店や街灯の光が届きにくい影になった小川沿いです。結果的に夜に灯りが消える学校の裏手などで良く見られるようです。
以下は、これまでにホタル(主にゲンジボタル)を確認できたところです。(今年確認したと言うわけではありません。)遠くの山の方までなかなか出かけられないという方は身近な場所で探してみませんか?
●大仏殿の北側、二月堂裏参道周辺の「大仏蛍」←これは有名ですね!
●奈良市高畑町の市立飛鳥中学校の裏手
●奈良市立佐保川小学校前の学び橋
●奈良高専(大和郡山市)グランドの北西側の小川
●天理市の布留川流域
●桜井市の奈良情報商業高等学校近くの小川
●信貴山東麓の平群町立平群北小学校横の小川
条件としては、風が弱く蒸し暑い日の午後8時~9時ごろが一番活発に飛ぶのでわかりやすいでしょう。雨上がりで湿度が上昇した時も狙い目ですが、気温が下がって逆に条件が悪くなることもあるので、必ずしも雨上がりがベストではありません。また小雨程度なら影響はありません。
観察のときに特別なものは必要ありませんが、歩きやすい服装(長いズボン)と靴が良いでしょう。虫刺されに弱い方には長袖がオススメです。虫よけスプレーを使う場合は、現地に着く前に塗布しておきましょう。
足下が暗い場合は、小型のペンライトで真下だけを短い時間照らします。大型の懐中電灯やランタンは持ち込まないようにしましょう。ライトで照らすと眩しさで見えないばかりか、ホタルもその後数分間光らなくなってしまいます。携帯電話のディズプレイなども消灯して暗闇に目を慣らしましょう。
ホタルは繁殖活動のためにこの時期に飛翔します。来年も楽しむために捕獲したり手で触ったりしないようにお願いします。(山林や公園、社寺の境内などでは、法律や条令で動植物の採取が禁止されているところがあります。例えば奈良公園内では全ての動植物の採取が条例で禁止されています。)
安全に気を配って、静かに観察をお願いします。