中将姫伝説の徳融寺

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奈良町には、中将姫(ちゅうじょうひめ)伝説に関わる三つのお寺がありますが、今回は、そのひとつ徳融寺(とくゆうじ)を中心にご紹介します。
中将姫は、藤原鎌足の曾孫で右大臣藤原豊成とその妻紫の前の娘と言われています。継母に虐待されて苦難の後に當麻寺(葛城市)の尼僧となり、當麻曼荼羅を織り上げて、阿弥陀三尊と二十五菩薩の来迎により極楽浄土に往生したという伝説があります。(悲劇のプリンセスですね!)この伝説は、浄瑠璃や歌舞伎などで度々題材として取り上げられており、近年では小説「死者の書」(折口信夫著)を原作とした同名の人形アニメーションも制作されました。
また、バスクリンで有名なツムラの婦人薬「中将湯」のロゴマークや葛城市のマスコットキャラクターの蓮花ちゃんのモデルとしても知られています。
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もちいどのセンター街、下御門商店街のアーケードを抜けて、真っ直ぐ奈良町を南へ進み、奈良市音声館を過ぎるとほどなく右手に徳融寺の門が見えてきます。中将姫そのものが伝説上の人物なので詳しいいきさつはわかりませんが、この辺りはもとは元興寺の境内、門前でした。また同時に藤原家ゆかりの興福寺からも近く、右大臣藤原豊成の邸宅があったとされることから、歴史が下るにつれて中将姫が生まれ育った地として知られるようになってきたのでしょうね。
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境内の墓地に豊成と中将姫を祀った石塔が立っています。これらは、もとはこの近くにある高林寺から移転されたものとのことです。また境内には継母に折檻された「虚空塚」「雪責の松」とされる場所もありますが、そこまで行くとさすがに嘘っぽい(^^)?
伝説にあれこれ言ってもしょうがないですが、おそらく様々な戯曲でそれらの場面が有名になってからの後付けなんでしょうね。
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↑ さて、こちらは徳融寺の斜め向かいにある「誕生寺」です。
石碑にある通り、中将姫誕生の地と言われています。ただし、こちらも釈迦誕生仏を安置したという説もあるので、もしそうなら中将姫誕生地と言うのは後付けなのかもしれません。
↓ 誕生寺の向い側、外国人に圧倒的な人気があるという旅館「静観荘」です。
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そして、奈良の市街地でも少しずつ減少している銭湯「花園温泉」は健在です。この少し東側には「扇湯」もあります。
↓ 三つ目のお寺は、先ほどの石塔がもともとあったという高林寺です。(奈良市ならまち格子の家のすぐ南、向い側)
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こちらも藤原豊成にゆかりのお寺で、本堂の前には、豊成卿の廟所などがあります。
中将姫に関しては、葛城市の當麻寺石光寺周辺にも色々な伝説が残っています。練供養会式などの催事もありますのでそちらも巡ると面白いですよ。
 

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