もうひとつの龍王ヶ淵へ…

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室生向渕(むろうむこうぢ)の龍王ヶ渕(上の写真)は、「死ぬまでに行きたい世界の絶景」に掲載されるほど有名になりました。でも実は「向渕」の地名は「向かい合う二つの渕」に由来すると言われ、龍王ヶ渕にはペアになるもう一つの渕「飯降ヶ渕(いぶりがぶち)」があったとされています。


現在、その渕は見当たりませんが、向渕集落の北東側に「いぶり」の名前を残す「飯降薬師の磨崖仏」(奈良時代前半、白鳳時代との説も)が現存しています。


磨崖仏は、お堂で覆われており、普段は実物を見ることができませんが、上の様に案内板に写真が掲示されています。


そして、その正面に広がる田んぼを見ると山の中腹にもかかわらず200m×100mほどと広大な平地であることからも、どうやらここが件の「飯降ヶ渕」の痕跡のようですね。地図で見ると北東方向に集落を見下ろす龍王ヶ渕に対して、飯降ヶ渕は南西方向に集落を見下ろす形になっており、まさに集落を間に挟んで向かい合う二つの渕になっています。
こちらの方が少し面積は大きかったように見えますが、山と森に囲まれた雰囲気もそっくりですね。

お願い:集落周辺の道は生活道路のため通行する際は地元の方優先かつ静かに最徐行でお願いします。また大変狭くアップダウンもありますので、車は安全な場所に停めて徒歩でのアクセスがオススメです。

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