ホタルの写真を撮ってみよう!

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以下は、2020年6月に掲載した記事の再掲です。


今年はホタルの写真に挑戦してみませんか? 奈良県では来週くらい(目安としては夜の気温が20度を超える頃)から山手の方でもゲンジボタルが乱舞するようになります。デジカメの性能も以前に比べて格段に向上しているので、撮影も随分楽になりましたよ。
ホタルを撮るには、シャッター速度や絞り、フォーカスを自動ではなく手動(マニュアル)設定する必要があるので、「一眼レフ」、または「ミラーレス一眼」と呼ばれているカメラの使用をオススメします。以前の「ミラーレス一眼」では暗い場所で構図やピントを確認するのが難しい機種もありましたが、最近のものは使い勝手も随分良くなっています。


なお、カメラのほかに、三脚とシャッターリモコンケーブルが必須です。レンズは、できれば明るいレンズ(F2.8とかF2.0とかの数字が小さいもの)が適していますが、無ければ普通の標準ズームレンズや廉価なキットレンズでもOKです。


【 ピントの合わせ方 】
ピントは一般的には、一番遠いホタルに合わせます。遠いホタルにピントを合わせると近くのホタルがボケて大きく写り自然な写真になるからです。
AF(オートフォーカス)で合わせることは無理なので、あらかじめMF(マニュアルフォーカス)モードにしておきます。
なお、カメラからAF補助光と言う赤色のビーム光などを発してピントを合わせる機能は、他の観賞者の迷惑になりますので必ずOFFにしておいてください。
余談ですが、カメラ背面のアクセスランプ(赤いLED)の光が自分の着ている服や水面に反射して写り込むことがあります。周りのカメラマンにも配慮して、赤色LEDには黒テープなどを貼っておくのがオススメです。同様に液晶モニタが周りの迷惑になるような場所では黒い布などをかけるのも良いでしょう。
ピント合わせの方法としては、明るいうちに合わせてピントリングをテープで固定する方法もありますが、いざホタルが飛び始めると思っていた場所と違ったりするので、その場合はライブビューモードを使って液晶モニタで見ながら手動でピントを合わせなおします。点滅しているホタルにピント合わせをするのが難しい場合は、ホタルと同じくらいの距離にある街灯などを使ってピントを合わせる方法が簡単です。
他に、あらかじめレンズのリングに目安の印を書いておく、星を使って無限遠に合わせる(対象のホタルが十分遠い時)などの方法もあります。

【 絞り、露光時間、ISO感度の設定 】
モードダイヤルをB(バルブ)モードにして、絞りは開放(Fの値が最小)、ISO400くらい、シャッターリモコンケーブル(ボタンを押している間だけシャッターが開く)を使って30秒程度露光してみます。撮影した結果を見ながら絞りや露光時間、ISO感度を調整してみます。ホタルの光が暗い場合は、ISOを上げます。背景が暗い場合は、露光時間を長く(明るすぎる場合は短く)調整します。

バルブを使うのは、車のライトが入りそうになったときなどに直ぐにシャッターを閉じるためなので、露光時間を厳密に測る必要はありません。ホタルは移動しているので露光時間を長くしても短くしても写真に映るホタル自身の明るさは変わりません。背景の明るさが好みになるだいたいの露光時間(周囲の明るさやレンズの種類で、10秒だったり2分だったりケースバイケースです)を覚えておき、頭の中で数を数えるくらいで十分なので、あまり時間は気にせず、ホタルの飛び具合や車のライトに対応して臨機応変にシャッターを開けたり閉じたりして下さい。背景が暗い場所なら、できるだけ長い時間シャッターを開けた方がホタルが沢山写ります。ホタルの飛翔には「呼吸」があり、一度一斉に飛び始めたら1分間位の乱舞になるので、うまくそのタイミングを捉えましょう。
注意しなければならないのは、暗闇では液晶モニタ上の景色が実際の出来上がりよりも明るく見える点です。後でパソコンで見ると真っ暗だったと言うこともよくあるので注意してください。(ヒストグラム表示で明るさの分布を確認できます)
↓ 24mm、F2.0、ISO400、111秒、合成なしのワンショット(室生川)

【合成前提で楽に撮影する方法】
上述のバルブモードを使った撮影は、なるべく比較・明合成などのパソコンでの処理を行わずにワンショットで撮りたい場合には良いのですが、明るい環境で短い露光時間(例えば10秒以下)のショットを何枚も撮る場合は、何度もシャッターを開け閉めしなければならず大変です。初めからパソコンで合成するのが前提であれば、連写モードなどを使ってカメラ任せで何枚も連続で撮影する方が楽です。

自動連写する方法で一番簡単なのは、上の図のようにモードダイヤルをM(マニュアル)にして、露光時間を設定(例えば10秒)し、シャッターモードを連続撮影にしたうえで、リモコンケーブルのシャッターボタンをスライドさせてONに固定する方法です。この他にカメラのインターバル撮影機能を使う方法やタイマー内蔵のリモコンケーブルを使う方法もあります。
このカメラ任せでシャッターを切る方法の弱点は、ホタルの飛ぶ「呼吸」に合わせてシャッターを切るわけでは無いので、全くホタルの入っていないショットや車のライトが入ってしまった失敗ショットを量産してしまう可能性が高いことです。失敗ショットを除いてから比較・明合成をすることになりますが、例えば平均30秒おきに車が通るような道の近くで30秒の露光を繰り返すとほとんどが失敗ショットになってしまうこともあるので注意が必要です。

【NR(ノイズリダクション)について】
デジカメにはノイズ(暗い場所で撮った時の画面上のザラザラ感)を軽減するためのNR(ノイズリダクション)機能がついています。NRには「高感度NR」と「長秒時NR」がありますが、ホタル撮影時は、「長秒時NR」をOFFにしておくことをオススメします。これがONやAUTOになっていると例えば、1分間の露光を行った後、次の1分間カメラがNRの処理を行うために撮影ができなくなってしまうことがあります。ホタルが活発に飛ぶのは午後8時から9時の1時間ほどなので、その貴重な時間を無駄にしたくないからです。

【 複数枚の写真を合成する方法 】
2~3分も露光できれば、1匹のホタルが行ったり来たりするだけでもその軌跡が全部写真に写り込むので、それなりの数のホタルが飛んでいるように写るのですが、月が出ていたり、人工光が多い場所だと背景が明るすぎて長い時間露光できず、どうしても映り込むホタルの数が少なくなります。
そんな場合は、上述の連写などの方法で同じ構図で何枚も撮影しておき、後からパソコンのソフトで重ね合わせます。例えば、10秒のショットを18枚合成すれば、3分間露光したのと同じだけのホタルが1枚の写真に入りますが、背景はそのまま重ね合わされるだけなので、元以上に明るくなる心配はありません。
後から合成する場合は、三脚が動かないようにしっかりと固定することはもちろん、絞り、ISO、WB(ホワイトバランス)を途中で変更しないように気をつけて、何枚も同じ構図で撮影しておきます。合成方法は、「比較・明合成」をキーワードにして調べてみると色々見つかります。カメラによっては、インターバル撮影の設定の中に「比較・明合成」モードがあって、カメラ内で自動合成ができることもあります。
なお、WB(ホワイトバランス)の設定が「太陽光」だと人工光が赤く写りすぎて困る場合など、「白熱灯」や「電球色蛍光灯」などに設定して撮ると背景や空が青っぽくなって幻想的な写真になります。特に合成前提で撮影する場合、WBをオートにしていると1枚ごとに違った色味の写真になってしまい合成どころではなくなるので注意してください。(上級者向けにはRAWで撮影して後からパソコンで自由にWBを変更すると言う方法があります)

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