天の川を観察しよう!(その2)

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天の川を観察しよう!(その1)の続きです。

今回は、天の川を写真で撮る場合の撮影機材についての解説です。必要な機材はホタル撮影などとだいたい同じで、先ずは次のものを準備すると良いでしょう。

(1)デジタル一眼レフカメラ、または、ミラーレス一眼
(2)三脚
(3)シャッターリモコンケーブル(レリーズ)

カメラについては、暗い被写体の撮影になるので高感度に強いカメラが望ましいところですが、一眼レフかミラーレスであれば、初心者向けのものでも十分です。三脚はできるだけ頑丈なもののほうが風が強いときなどにも対応できますが、持ち運びも考えてお好みで選んでください。
シャッターリモコンケーブルは無くても2秒セルフタイマーなどを使って撮れなくはないのですが、あった方が何かと便利です。
レンズは、とりあえずキットレンズなどと呼ばれる標準ズームでもOKです。天の川の中心部分を切り取るなら焦点距離はフルサイズで35mmくらい(APS-Cなら24mmくらい)になります。天の川全体を写すなら15mmくらい(APS-Cなら10mmくらい)になるので標準ズーム以外に超広角レンズを入手しないといけません。また、天の川を完全に端から端まで写すとなると魚眼レンズが必要になります。

新たにレンズを入手するのであれば、できるだけ明るい(Fナンバーが小さい)レンズの方が綺麗に写せます。明るい大口径ズームレンズは高価ですが、単焦点(35mm~14mmくらい)レンズだと明るい(F2.8~F1.4くらい)レンズでも比較的安価なものがあります。


あと、星空の撮影によく使われるものとしてソフトフィルターがあります。
ソフトフィルターと言うのは、入射光を適度に屈折させて輪郭などを柔らかくにじませるフィルターです。人物の輪郭や肌などを柔らかく表現したいときに使われてきましたが、最近はデジタルの後処理でも同じようなことができるのでポートレート撮影では使われることが少なくなりました。
星の撮影の場合、理論的には全ての星は「点像」になってしまうので、写真上では明るい星と暗い星の区別ができません。肉眼で見て判別できる北斗七星などの星座が、写真上では無数の星が写っているだけで判別が難しくなるのはそのためです。ソフトフィルターで入射光をにじませると明るい星は大きな円に、暗い星は小さな点になって写るので、写真上でも星座が見やすくなります。また、パソコンの画像処理で似たようなことをできなくはないのですが、撮影時に既に星の部分が白飛びしていると「明るさの違い」や「色」の情報が飛んでしまっているので光学的なソフトフィルターと同じような効果を後処理で得ることは難しいと言えます。
ソフトフィルターは星座の撮影には有効ですが、天の川だけを写したい場合には特に必要なものではありません。また、広角になるほど効果の大きなフィルターが必要になるなど使いこなしが難しいアイテムですが、興味がある方は是非試してみてください。

あと撮影機材以外では、懐中電灯や防寒具などを忘れないようにしましょう。ただし懐中電灯などの照明器具の使用は最低限に!
レンズの交換ぐらいは手探りでもできるように練習して、周囲で撮影している人の迷惑にならないようにしてください。

・頭に付けた照明で周囲を照らしていませんか?高輝度LEDで手元確認はNG!
・天体観測用の赤色ライトは目視観測には便利ですが、カメラ撮影には悪影響大です。
・スマホやカメラモニタのバックライトは暗く調節し、場合によっては黒い布などをかけましょう!
・カメラ背面の赤色LEDも想像以上に明るいので黒いテープを貼るなどの対策を!
・移動中の車のライトは消灯する必要はありませんが、停車したら速やかに全部消灯!

→ 天の川を観察しよう!(その3)に続きます。

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