- 2016-11-16
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雲海発生のメカニズムについて:
深夜から早朝にかけて良く晴れると前日に温められていた地表の熱が、赤外線になって宇宙空間へ逃げて行き(放射冷却)地表近くの温度が一気に下がります。
その結果、地表近くでは昼間の温かい空気中に含まれていた水蒸気の凝結が起こり、霧になります。このような霧を放射霧(放射冷却霧)と呼んでいます。
地表近くが上空よりも気温が低い状態(逆転層)なので温度差による対流が起こりにくく、一度発生した霧は、朝になって太陽で温められるまでの間、雲海となって安定して低空を覆います。
雲海が発生しやすい条件としては、下記があります。
・深夜から早朝にかけて上空が良く晴れている。
・前日の昼間の気温が高い。(昼夜の気温差が大きい)
・地表に川や湖などがある。また、雨上がりなどで地面が濡れている。
・風がほとんどない。
・霧が溜まりやすい谷間を上から見下ろせる場所。
霧の発生をある程度予測する方法としては、下記のような天気予報データを利用すると良いでしょう。
参考:tenki.jp (日本気象協会/ALiNKインターネット )
(1)前夜から早朝にかけて上空が良く晴れていること。
(2)早朝5時~6時ごろの気温が前日の最高気温に比べて低いこと(目安としては10度以上)※
(3)予報の湿度が高いこと(必ずしも100%である必要はありません。)
(4)深夜から早朝にかけて無風または風が弱いこと
※冬型の気圧配置で北西風が入って気温が下がる場合は、空気が乾燥するので気温が下がっても霧は発生しにくくなります。逆に弱い南風が入る場合は、気温がそれほど下がらなくても霧が発生することもあります。特に10月に比べて11月頃は、雨の後、冬型の気圧配置で乾いた風が入ることが多く、朝冷え込んでも思ったほど霧が出ないことも良くあります。また、12月~2月頃、最低気温が氷点下になるとあまり大きな雲海に発達することは少ないようです。
【お出かけ前のチェックポイント】(2016年11月26日追記)
(1)車のフロントガラスなどが濡れている←湿度が高く放射冷却が起きている証です!
(2)街灯に光芒(光の線)が見える←水蒸気の凝結が始まっている!
(3)煙突から出る湯気が流れずに大きく広がっている←風が無く湿度が高い!
なお、時間帯にかかわらず雨が降っている最中や雨上がり直後には霧が出ることがあります。そのような「悪天候時の霧」は、海原のように平坦に広がることは稀で、大抵は立ち昇るような形になります。
↓ 悪天候時の霧の例